薬剤師ドリブン

ただ怠惰に生きたい四国在住の薬剤師が、どうしても放っておけない日々の疑問や課題を探求する様子を描いたブログです。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【稿本】一歩進んだハイリスク薬管理

中毒量と有効域が狭く投与量の設定が難しい薬や、重篤な副作用が起こり得る薬など、より注意が必要な薬は「ハイリスク薬」と呼ばれ、特に十分な管理指導が求められる。医療の高度化によりハイリスク薬は増加し、それを服用する患者の高齢化も進んでいること…

【稿本】質的研究と量的研究の違い

質的研究とは新しい洞察や理解を発展させることで、「数値化しないもの」であり「数へのこだわりがない」もの。重要なのはサンプルの「量」ではなく「質」である。「どのくらいの事例?」ではなく「どの事例」であり、「その事例は何を代表しているか、それ…

【稿本】病態にあわせた栄養剤の使い分け

高齢者の平均年齢も上がっているので従来の栄養剤では組成的に合わない人もでてきている。少量でもエネルギーやタンパク質が十分取れるように配慮したイノラスは、少食の多い高齢者向けの組成の栄養剤。一方、複数の疾患を抱えている高齢者は多く、腎機能が…

【稿本】爪白癬の適切な医療を届けるために医師が薬剤師に期待すること

爪白癬は、抗真菌薬の内服が基本。しかし副作用を恐れて、内服薬の選択をしなかったり、服薬を中断してしまうことが多い。肝機能障害などの副作用については不安を与えすぎないように留意する。定期的な血液検査をすれば早期に肝機能の低下を発見できる可能…

6/19徳島県の薬剤師向け研修会・勉強会情報

徳島県の薬剤師向け研修会・勉強会情報です。主にWeb研修を中心に掲載しています。その他研修会・勉強会情報https://calendar.google.com/calendar?cid=b25lc2t5LndvcmtzX25tM2tzazRxdjY1ZjJhMmx2cWs0ZDV1MjM0QGdyb3VwLmNhbGVuZGFyLmdvb2dsZS5jb20

【稿本】漢方のトリセツ 風邪

冬は気温の低下と同時に湿気が少なくなるので呼吸器にとっては受難の季節。漢方の考えでは秋から冬にかけては「肺を傷つける」病気が一番増える。治療の方針は「潤す・温める・冷やす」を上手く使い分ける。麦門冬湯肺の乾燥によって引き起こされる咳は、乾…

6/15-21徳島県の薬剤師向け研修会・勉強会情報

徳島県の薬剤師向け研修会・勉強会情報です。新型コロナウイルスの影響のため主にWeb研修を掲載しています。6/19 (金)6/20 (土) 薬剤師に向けたCOVID-19緊急Webセミナー6/21(日)その他研修会情報https://calendar.google.com/calendar?cid=b25lc2t5Lnd…

【稿本】認知症の予防・治療薬の開発に期待できる天然の低分子化合物とは?

認知症の予防・治療の基本として、神経死の防止と神経の再生。そのために期待できるのが内因性神経栄養因子の活性化。徳島文理大学薬学部薬品物理化学教室(福山愛保教授担当)では、ラット胎児初代培養大脳皮質由来神経細胞系を用いて多くの天然物の神経栄…

【稿本】視力低下の児童に処方されたミドリンM

一時的に近視の状態になる「仮性近視」の場合、トロピカミド(ミドリンM®)の調節麻痺作用による毛様体筋の弛緩作用により、近視の回復が見込まれる。低年齢児では、眼球内のレンズを調節する毛様体筋が過度に収縮して、一時的に近視の状態となり、視力が低…

前立腺がん治療でビカルタミドが減った理由

前立腺特異抗原(PSA)が一過性に低下することがあるため。抗アンドロゲン薬のビカルタミドを中止することにより一時的にPSAが改善することがある。ビカルタミドとLH-RHアゴニストの併用療法CAB(MAB)療法によって癌の進行を抑えることができるのは3年程度…

【稿本】食後服用を勧められない漢方薬とは?

マオウやブシなど、アルカロイド(窒素を含む塩基性の天然有機物質)は吸収がよくなりすぎるので食前に服用したほうがよい。アルカロイドを主成分とする塩基性成分は、酸により塩を形成し、イオンとなることで水溶性が上がる。つまりアルカロイドは食後で胃…

6/7徳島県の薬剤師向け研修会・勉強会情報

徳島県の薬剤師向け研修会・勉強会情報です。現在は研修会が実施されていないことが多いので主にWeb研修を掲載しています。6/7(日)

SSRIの授乳への影響は?

SSRIの母乳移行性は低い。SSRIを介した乳児の薬物摂取量は少なく、RID(相対的乳児投与量)は10%以下と報告されている(パロキセチンで1.2%)。パロキセチンの授乳中服用に関する研究は多くされており、いずれもRIDが低く、乳児に悪影響はなかったという報…

【稿本】疑義照会しても処方を続ける医師にトレーシングレポートでどう伝える?

薬剤師が疑義照会したり、トレーシングレポートを提出しても、医師から期待通りの回答がない原因に1つに医師と薬剤師との認識の相違がある。双方の見解が異なる場合、処方の問題点をあえて指摘せず、今後の病状や治療への影響にフォーカスして情報を伝える…

【稿本】 乾皮症、皮脂欠乏性湿疹におkる保湿剤の使い方

乾皮症、皮脂欠乏性湿疹とは?乾皮症の明確な定義はないが、皮膚が乾燥して荒くなった状態のこと。皮膚のバリア機能が障害されているため水分が消失し、微生物が侵入しやすくなる。そう痒を伴い、掻破によりさらなる皮膚バリア機能の破綻を来すという悪循環…