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苓桂朮甘湯ってどんな漢方?

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苓桂朮甘湯とは何か?

苓桂朮甘湯は「痰飲、脾陽不足」の証を治療する処方です。茯苓(ぶくりょう)、桂皮(けいひ)、白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)の4味で構成されています。効能は消化器機能の低下による水分の停滞・逆流による、めまい・立ちくらみ・動悸などの症状を改善します。からだを冷やさない、胃に負担をかけない、過剰な水分摂取も控えてもらうなどのアドバイスも有効です。

「痰飲、脾陽不足」の証とは?

人が生きるために必要な水液(津液)の流れが停滞し貯留した異常な水液を痰飲といいます。痰飲が発生する原因の1つに脾(消化器)の機能が低下(脾胃気虚、脾陽不足)があります。その結果、お腹の上部に水液がたまって、気とともに水液が上昇(水気上衝)し、頭部に至るとめまいなどの諸症状を起こします。

 

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どんな生薬で構成されているか?

君薬の茯苓は脾胃(消化器)の機能を高めて水分の停滞を取り除きます。臣薬の桂皮は消化器を温め余分な水分を除去し、水の流れを改善。白朮は脾胃の機能を調え水の流れを改善し、痰飲の発生を防ぐ。使薬の甘草は脾胃の機能を調え、諸薬の薬性を調和します。

 

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効能・効果

苓桂朮甘湯は脾の陽気を補い、過剰な痰を除去(化飲)し、水気上衝を改善します。つまり、消化器機能を高めて、過剰な水分を除去、停滞・逆流を抑制することにより、めまい・立ちくらみ、動悸などの諸症状を改善します。

貧血を伴うめまいでは四物湯を合わせて連珠飲という漢方処方でも使われます。からだを冷やさず、胃腸に負担がかかるものは控え、過剰な水分摂取は控えたほうがよいでしょう。

明日からの患者さんへのアドバイスはこうしようと思う

「胃にたまった水が悪さをすることによる【めまい】によく効く漢方薬です。からだを冷やさないようにしてください。胃に負担をかけるものは控えて、過剰な水分摂取は控えましょう」とアドバイスをしていきます。

 

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【参考資料】

幸井俊高 著 「漢方治療指針」

幸井俊高 著 「完全版漢方のエッセンス」

宮原桂 著 「漢方服薬指導ハンドブック」