患者さんが「薬局に来てくれた価値を感じてもらう」ための八味地黄丸の説明について考えてみました。今まで漢方薬の知識がないために基本的な説明だけになっていました。八味地黄丸の特徴をつかむことで、より深い説明ができるようになりたいと思っています。
八味地黄丸とは?
基礎代謝を高め、不快な症状を取り除く高齢者の健康不調の強い味方の漢方薬。
60歳を過ぎると、大きな病気にかからなくても腰痛、膝の痛み、頻尿、不眠など、不愉快な症状がつきまとう。(中略)単なる老化現象で済まされることもあれば、明らかな疾患が見つかることもある。体のあちこちにガタがくる、多臓器にわたる疾患。これば高齢者の健康不調の特徴だ。そんなときの強い味方が八味地黄丸である。-幸井俊高著「完全版 医師・薬剤師のための漢方薬のエッセンス」
なぜ効くのか?
八味地黄丸は「腎陽虚」証に適応します。「腎」は成長・発育・生殖をつかさどり、生命活動の根幹を成す臓器です。「腎」の衰弱によって足腰に力がない、だるい、疲れやすい、腰痛、頻尿、手足の冷えなどの症状を伴います。八味地黄丸は腎虚を補い、体を温め気をめぐらせることで代謝を高め、血液や体液の流れを改善します。
構成生薬
地黄、山茱萸、山薬、沢瀉、茯苓、牡丹皮、桂皮、附子の8種類の生薬で構成され、地黄が主薬の処方。腎虚を補い、基礎代謝を高め、体を温めて血液循環を促進し気を巡らせます。
どのように説明するか?
基礎代謝の低下により下半身の血流が悪化することで生じるいろいろな症状に効果があると説明。からだを冷やさないようにして、胃もたれなどを起こすようなら相談するようにアドバイスしようと思います。