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【稿本】薬剤性パーキンソニズムを発症しやすい薬の併用に注意

薬剤性パーキンソニズム(DIP)を引き起こす薬剤同士の併用は常に注意が必要。特に抗精神病薬の多剤併用時の相互作用に注意する。

DIPを引き起こす可能性のある薬剤は①ドパミンD2受容体遮断薬②D2受容体の情報伝達を阻害する薬剤③コリン作動薬④D2作用を阻害する可能性のある薬剤(5-HT2A作動薬によるドパミン遊離抑制など)⑤機序不明に分けられる

最もDIP発症の恐れがある相互作用は、統合失調症の治療に2種類以上の抗精神病薬(D2遮断薬)を併用する場合である。また抗精神病薬の適正投与量を表す指標である「クロルプロマジン(CP)換算値」の合計が300-600mg/日を超えるとDIPのリスクが高くなる。特に1000mg/日を超えるのは疑義照会してもよい。抗精神病薬を減らす場合は3-6ヵ月かけて少量ずつ減らすSCAP法を用いる。

動態学的相互作用によりDIP発症の危険性が高くなることもある。抗精神病薬の多くはCYPで代謝されるため、CYP阻害薬(フルボキサミンパロキセチン、14員環マクロライド系抗菌薬などの併用により血中濃度が上昇する。

DIPは一般に抗精神病薬では投与開始から数日-数週間で表れることが多く、90%が20日以内に発症する。原因薬剤を長期投与した場合は不可逆となるため、早期発見・鑑別、減量・中止を行うことが極めて重要。有用な手段として、「LUNSERS」評価や薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)、薬剤性アカシジアではBarnes Akathisia Scale(BAS)などがある。

DIPの特徴としては、パーキンソン病と比較して①進行が早く②突進現象が少ない③左右対称④動作時に振戦⑤ジスキネジア、アカシジアを伴う⑥抗パーキンソン病薬の効果が弱いなど。

【参考文献】日経ドラッグインフォメーション2019.02