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【稿本】新規心不全ARNIとは何か?

ARNIとは、ネブリライシン阻害薬とARBの合剤のこと。慢性心不全治療薬で、心保護・腎保護作用への期待が高い。

レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬、β遮断薬、ミネラルコルチコイド(MR)拮抗薬の3剤併用治療でも、息切れやふらつき、入退院を繰り返す慢性心不全の治療に期待されている。

ネブリライシンは様々なペプチドを分解する酵素。血圧低下や抗線維化などの作用がある心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)を分解するネブリライシンを阻害し、ANPの濃度を高めることで心血管保護作用を発揮する。またANPは腎臓の輸入細動脈を拡張させ、糸球体濾過量を増加させるため、腎保護作用にも期待できる。
ただネブリライシンを阻害することでアンジオテンシンⅡの分解も阻害されてしまう。したがってARBを併用することでRA系の亢進を抑制する。

血管浮腫のリスクがあるためACE阻害薬との併用は禁忌。ANRI開始36時間
前までに中止する。

日本人のHFrEF患者にはACE阻害薬に対する優位性を示すことができなかったが、欧米では標準治療の1つなので、今後RA系阻害薬からANRIに切り替わる可能性もある。

●『日経メディカル』2019年12月、p.024-025