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【稿本】 乾皮症、皮脂欠乏性湿疹におkる保湿剤の使い方

乾皮症、皮脂欠乏性湿疹とは?

乾皮症の明確な定義はないが、皮膚が乾燥して荒くなった状態のこと。皮膚のバリア機能が障害されているため水分が消失し、微生物が侵入しやすくなる。そう痒を伴い、掻破によりさらなる皮膚バリア機能の破綻を来すという悪循環に陥る。皮脂欠乏性湿疹は乾皮症が湿疹化した状態。皮膚バリア機能は「角質細胞間脂質(セラミド)」「天然保湿因子(フィラグリン分解物)」「皮脂」の3要素が重要。

なぜ乾皮症、皮脂欠乏性湿疹になるのか?

最も多いのが生理的要因。加齢に伴い汗腺や皮脂腺の機能が低下し、角質層の水分量が減少してしまう。性ホルモンの影響を受ける皮脂の分泌は思春期前の小児では皮脂の分泌量が少ないため乾皮症になりやすい。糖尿病による発汗減少や分子標的薬など薬剤に起因する乾皮症も注目。また相対湿度の低下やシャワー浴のみの習慣が増えていることも要因。

保湿剤の使い方

皮膚の状態や季節、使用感などに応じて保湿剤を使い分ける。水分が多いほど被覆性に劣るが使用感に優れる。セラミドは角質柔軟化作用、バリア機能補強作用、水分保持作用がいずれも優れているが医療用医薬品にないので自己負担が高い。尿素製剤は刺激があるので小児には注意。ワセリンは皮膚保護作用に優れるがべたつく、夜塗ると熱がこもって痒くなるなどの欠点もある。

保湿剤の塗布量は1FTUで軟膏量0.5gで、両手のひら全体の面積を塗布することができる。口径の小さな軟膏では0.5g未満もあるので注意する。全身に塗布する場合、乳児は8FTU、10歳で24FTU、成人で20g/回の軟膏が必要。1日4-5回が理想だが、実際は1-2回しか濡れないのが実情。分子標的薬によるかゆみも保湿を行う。

【参考資料】日経DI2020.01