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前立腺がん治療でビカルタミドが減った理由

前立腺特異抗原(PSA)が一過性に低下することがあるため。抗アンドロゲン薬のビカルタミドを中止することにより一時的にPSAが改善することがある。

ビカルタミドとLH-RHアゴニストの併用療法CAB(MAB)療法によって癌の進行を抑えることができるのは3年程度。その後はアンドロゲン受容体に拮抗的に作用していた抗アンドロゲン薬が変異にすることにより、アゴニストとして作用することがある。この場合に抗アンドロゲン薬のみを中止することで一過性にPSA値が下がることがある。

抗アンドロゲン薬中止によるPSA値低下の持続時間は数ヶ月程度とされる。また、PSA値の変化だけでは把握できない前立腺癌細胞の増殖も起こり得るため、中止後はアビラテロン酢酸エステル(ザイティガ®)やエンザルタミド(イクスタンジ®)などによる薬物療法や、放射線療法など、幅広い治療を考慮する必要がある。-日経DI2020.01 PE055

考察
抗アンドロゲン薬の癌の進行を抑制するのが3年程度、その後はアンドロゲン受容体の変異により前立腺癌細胞の増殖に寄与してしまう。こうした場合に抗アンドロゲン薬のみを中止することでPSA値が低下するものの数ヶ月程度の一過性にすぎない。PSA値が再上昇したこととビカルタミド中止の理由がわからず不安を感じている患者に寄り添うことが重要。

【参考資料】日経DI2020.01