薬剤師ドリブン

ただ怠惰に生きたい四国在住の薬剤師が、どうしても放っておけない日々の疑問や課題を探求する様子を描いたブログです。

【稿本】薬局業務でRMPをどのように活用したらよいか?

医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)は製薬企業が厚生労働省医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)の指導のもと、医薬品の開発から市販後まで一貫したリスク管理をひとつの文書に分かり易くまとめたもので、市販後の安全対策の一層の充実を図ろうとするものー日本薬剤師会 雑誌 第72巻 第1号p57

RMPは①安全性検討事項、②医薬品安全性監視活動、③リスク最小化計画の3つの要素で構成されている。
①安全性検討事項はすでにその医薬品との関連性が判明し、添付文書に記載のある「重要な特定されたリスク」。関連性は疑われるが、確認が不十分なものに「重要な潜在的リスク」。安全性を予測する上で十分な情報が得られていない「重要な不足情報」で構成されている。

②医薬品安全性監視活動は、安全性検討事項について情報を収集するための調査・知見の計画
③リスク最小化計画は、安全性検討事項についてリスクを軽減するための取り組み。

リスク最小化のための「医薬従事者向け資材」「患者向け資材」は厚生労働省等の指導により製薬企業で作成された重要な資材。「重要な特定されたリスク」を最小化するために両資材は有効に活用する。

追加活動として安全性監視は、承認までに集められた情報ではリスクの解析に不足の点があるために、情報が乏しく重点的に監視すべきリスク集団(小児・妊婦・高齢者等)が存在する場合に必要になります。「追加の安全性監視活動」に該当する集団については、重点的な副作用モニタリングの対象として、薬学的管理等に留意し、対応するべきと考えられます。−日本薬剤師会雑誌 第72巻 第1号 p59

以上のことから、RMPを薬局業務で活かすには、「重要な特定されたリスク」を患者モニタリングに活用し、副作用調査に潜在リスクも検討する。追加のリスク最小化活動の資材である「医薬関係者向け資材」「患者向け資材」をしっかり活用することである。