セレコックスの抗腫瘍効果が期待できると考えられている。
COX2阻害作用による抗腫瘍効果の機序としては
①腫瘍細胞の増殖抑制
②アポトーシスの誘導
③血管新生の抑制
④腫瘍免疫反応の活性化
⑤浸潤・転移抑制
ーなどが推測されている。
臨床的には1970年代から、長期にわたってアスピリンなどのNSAIDsを服用している患者では大腸癌の罹患率や死亡率が有意に低いことが報告されていた。2000年以降、複数のランダム比較試験が行われ、COX2阻害薬が大腸腺腫の発生を抑制することが報告されている。
ただし、大腸癌の予防や補助療法におけるNSAIDsの至適投与量や投与期間などについてはさらなる検討が必要である。特に選択的COX2阻害薬に関しては長期投与により、血小板凝集抑制作用・血管拡張作用を有するPGI2の産生が低下することによる心血管系イベントの有意な増加に留意することが必要である。
【参考文献】日経ドラッグインフォメーション2016.06