妊娠中の高血圧は、母児へ悪影響を与えることが報告されているので適切な血圧コントロールが重要である。
ヒドララジンは長きにわたり妊娠中に使用されてきた薬剤であり、多くの研究で妊娠中に安全に使用できると報告されている。妊娠中にヒドララジンを使用した母親の児136例のうち、先天性異常がみられたのは8例で、いずれも妊娠中期・後期の使用だった。添付文書では有益性投与。
β遮断薬の妊娠初期の使用に関しては、リスクがあるとの報告、ないとの報告の両方があり、結論を出すことはできない。妊娠中期・後期の使用については子宮内胎児発育遅延、新生児の低血糖、呼吸抑制、高ビリルビン血症、多血症、血小板減少などが報告されているため、出生前後の児を十分観察する。母体の心拍数や心拍出量の低下のためと考えられる。
【参考文献】日経ドラッグインフォメーション2019.02