薬剤師ドリブン

ただ怠惰に生きたい四国在住の薬剤師が、どうしても放っておけない日々の疑問や課題を探求する様子を描いたブログです。

糖尿病と肝疾患のかゆみの関連性

2型糖尿病患者のNAFLD(非アルコール性脂肪肝疾患)有病率は20-80%であり、一般集団の2-5%と比べてかなり高い割合です。またNAFLD患者の44.7%が「かゆみ」を訴えていてQOLの低下が懸念されます。慢性肝疾患患者のかゆみに関連する独立した因子は「糖尿病の合併」「AST≧60U/L」となっています。つまり糖尿病患者はNAFLDの有病率が高く、かゆみを感じている割合が高いということになります。

レミッチ®(REMICH®)は1992年に東レが開発した透析、慢性肝疾患におけるかゆみを改善させる薬です。オピオイドκ受容体を活性化させることでかゆみを抑えます。ちなみに名前の由来はかゆみ(itch)を取り除く(remove)から。レミッチ®のかゆみ対策における位置づけは、既存治療で効果不十分な場合に限り使用するというものです。

思っていた以上に糖尿病と肝疾患のかゆみの関連性が高いと感じました。今後は、かゆみを訴えている糖尿病患者のASTを確認することにします。
既存治療をしっかり実施したうえで効果不十分な場合には医師にレミッチ®を提案しようと思います。