飲み忘れに気づいたら、まず防止策の基本となる「一包化」「薬をセット」「処方整理の提案」に着目する。
一包化
AA(連続)分包よりAB(反復)分包にすることで、飲み忘れが減る患者がいる。デイサービスなどで昼間に出かけるときは1日分の薬がつながっている方が飲み忘れが少ない。朝は分包で夕をPTPにすると、飲み忘れが多くなる。形態が変わると混乱するからかもしれない。個々のニーズや服薬状況をよく確認する。
薬をセット
外来でもアドヒアランスに不安があれば、積極的にカレンダーを使う。一般的なカレンダーで飲み忘れが多くなれば、日めくりお薬カレンダーを使う。ぐるぐる巻いて箱から薬が順にでてくるボックスの作成や15万円のマシンを導入している薬局もある。薬を飲むタイミングを想起してもらうトリガーの設定・提案が重要。
処方整理の提案
トレーシングレボートで医師に服薬情報を伝えるほかに、服用時点を減らす提案を行う。疾患がコントロールされていれば、その薬を中止してもらう。服薬指導では飲み忘れとなり得る原因と対応策を整理しておいく。
また継続のモチベーションを上げるために客観的で視覚化できるスコアをつけるとよい。例としてはアトピー性皮膚炎の重症度評価法の1つであるPO-SCORADがある。
●日経DI2019.12,P003-P017