オセルタミビルに関しては、妊娠初期に使用した際の先天性異常発生リスクの上昇は認められなかった。日本・欧州いずれの疫学研究でも先天異常に特定の傾向はなかった。むしろインフルエンザに罹患すると早産、低出生体重児、胎児死亡リスクが上昇する。
米国感染症学会(IDSA)や米国疾病対策センター(CDC)のガイドラインでは、妊娠および出産後2週以内の産褥婦に対してインフルエンザが確定あるいは疑われる場合は速やかに抗ウイルス薬による治療を開始することが推奨されている。
CDCおよび米国産科婦人科学会(ACOG)は、妊娠中の女性には妊娠時期に関わらず不活化インフルエンザワクチンの接種を推奨している。不活化ワクチンは理論的に妊婦・胎児に影響はない。
●日経ドラッグインフォメーション2019.12