薬剤師ドリブン

ただ怠惰に生きたい四国在住の薬剤師が、どうしても放っておけない日々の疑問や課題を探求する様子を描いたブログです。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【稿本】発売前に新薬の情報を得るには?

1.薬価がどのように決まったかを調べる新薬の類似品がなければ原価計算方式、類似品があれば、それとの比較で補正加算が決まり(類似薬効比較方式)、薬価が決定されます。補正加算には最も高い「画期性加算」、「有用性加算Ⅰ・Ⅱ」、「市場性加算Ⅰ・Ⅱ」、「…

学校における感染防止対策について

学校薬剤師として学校再開における感染防止対策について考えてみました。基本的に以下の文部科学省の通知の遵守で問題ありませんが、薬剤師の視点から補足できることをまとめてみました。令和2年度における小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等にお…

【稿本】脳梗塞予防に処方された抗凝固薬と抗血小板薬

「非心原性脳梗塞」の2次予防には抗血小板薬、非弁膜症性心房細動を主因とする「心原性脳梗塞」の2次予防には抗凝固薬を選択するのが基本。動脈系は血小板の活性化、静脈系はフィブリン活性が主病態であるため。「脳卒中治療ガイドライン2015」では非弁膜症…

【稿本】フルティフォーム吸入後の運転をしても大丈夫か?

普通に使っていればフルティフォームの吸入によりアルコール検知されることはないだろう。杏林製薬によると「吸入直後にアルコール検知器にかけた場合は分からないが、吸入後にうがいなどをすれば、検知されることはないと考えている」との見解を示している…

【稿本】百日咳の薬物療法とは?

百日咳の治療はマクロライド系、5日間が基本。百日咳は、特有の痙攣性の咳発作を特徴とする急性気道感染症。百日咳菌の飛沫により感染する。潜伏期間は7-10日間。鼻水や軽い咳が1-2週間つづいた後、咳が悪化し、特徴的な咳発作が2-4週間つづく。その後1-2週…

【稿本】認知症患者にトラゾドン(デジレル®)が処方された理由

認知症患者の睡眠障害の薬物療法については「認知症疾患診療ガイドライン2017」では、一貫した結果は得られていないが、使用を検討してよい薬剤としてトラゾドン(デジレル®)、リスベリドン(リスパダール®)を挙げている。トラゾドンを1日50㎎を2週間投与…

【稿本】生脈散

生脈散は、気と津液(人に必要な水液)を補い体力を回復させる処方。人参・麦門冬・五味子から構成される。慢性期を含めた心肺疾患などの体力回復に使用する。肺は全身の気をつかさどるため、肺気を補うことにより他の臓腑の気も旺盛になる。気を補うことで…

【稿本】医師が処方を決めるまで-うつ病

うつ病の治療では、適度な休息と運動を生活に取り入れつつ、症状によっては脳内のセロトニンやノルアドレナリンの増加を目的に薬物療法を合わせて行う。不安が強ければSSRI、意欲上昇を目的とする場合にはSNRIが推奨されている。不安が強く増悪が予想される…

【稿本】妊娠とくすりの基礎知識-Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARB

妊娠初期のCa拮抗薬の使用は大きなリスクとはならないニフェジピンは妊娠20週以降の妊婦に「有益性投与」となっているが、大半のCa拮抗薬は、妊婦への投与が禁忌となっている。妊娠中の服用については疫学研究を参考にした上で、慎重に対応する。約300人のCa…

【稿本】腹痛を訴えてOTC薬を買いに来た患者への対応

得られた情報から薬剤師としての見解を示す「腹痛」「悪心・嘔吐」「下痢」の3症状を示せば、ウイルス性胃腸炎の可能性が高い。ただし実際には3症状の全てがそろうことは多くない。下痢がありお尻からおしっこがでるような水様便があれば、ウイルス性胃腸…

【稿本】排尿障害の患者に対応するために、薬剤師として知っておきたい知識

排尿障害の病態と薬物治療排尿障害は、臨床症状をもとに①頻尿や尿意切迫感、腹圧性尿失禁などの「蓄尿症状」②尿勢低下や排尿遅延などの「排尿症状」③残尿感などの「排尿後症状」に大別される。近年はこれらを合わせて下部尿路症状(LUTS)と呼ぶようになった…

【稿本】スタチンとフィブラートの併用、「原則禁忌」はなぜ外れたか?

なぜ「原則禁忌」が外れた?欧米では一部の例外を除いては、スタチンとフィブラートとの併用に関して、腎機能に異常がある患者においても禁忌の設定はなかった。国内外のガイドラインでも禁忌とするものはなかった。また、製造販売後調査による国内副作用報…